外岩で登る事と求められる「モラル・マナー」の話①
こんにちは、店長のヤマモトです。
函館は4月後半に入り、気温が高い日が続いています。
4月は風が強い日が多いのですが、その分湿度が低く、虫も少なく、外岩でボルダリングをするにはいい時期だと思います。
私のジムでも今月初外岩というクライマーが何人かいます。
今日は ”外岩で登る時に必要なモラル・マナー” に関する記事です。
私は上記モラル・マナーは大きく2つに分けられると思っていて、それは以下になります。
① 課題を登る事に対するもの
② ボルダリングのエリア内での行動についてのもの
今回は①に関しての記事になります。
コンテンツ
外岩に設定された課題を登るという事
外の岩で課題を登る初心者クライマーは、
誰かが設定した課題を登る
という事が当面の目標となると思います。
この時評価の基準となるのは、
始めて登ったクライマーと同じ(かそれ以上難しい)条件で登れるか?
という事です。
例えば、
課題に関するムーブやホールドの情報がない状態で一撃できれば評価されますし(オンサイトフラッシュ)、
それらの情報を持っていたとしても、他人の登りを見ていなければそれも評価されたりします(ベータフラッシュ)
こういった考えを基準に ”求められるモラル・マナー” についても考えてみると、どうでしょうか。
同じ課題に取り付いているクライマーが居る時は、安易にホールドやムーブを教えないとか、
オンサイトトライの可能性があるのに、ホールドを触りまくったり、ムーブをバラしてから取り付くとか、
(おそらく初登者が使っていない)レジン入りのチョークを使うとか、
そういった事があまり良くない事であるという事が理解できるのではないでしょうか。
モラル・マナーのレベルは人それぞれ…
外岩の課題を登る時、そのモラル・マナーのレベルは、人によって違います。
クライミング歴の違い、良くいくエリアの違い、年齢の違いなど、その理由は色々とあるかと思いますが、とにかく全く同じというクライマーはいないのではないかと思うほど、モラル・マナーのレベルは人によって違っています。
意識の高いクライマーだと例えば、
安全のためのクラッシュパッドが多い事を嫌う事もありますし、
初登時にあった着地面の岩をどかす事をNGとする事もありますし、
ホールドの位置を示すティックマークを付ける事自体を悪い事とする場合もあり、使用するチョークも最小限にするでしょう。
ティックマークに関しては、エリアによってはあえて残している場合もある(あった?)そうです。
しかし、基本的にボルダリングエリアがクライマーの私有地であることは極めて稀であり、岩に関しても他人の所有であるという事を考えれば、登攀終了後、ティックマーク又はそれになりうるチョーク跡を可能な限りブラッシングする、というのは既に常識と言っても良いのではないかと思います。
意識の低いクライマーだと、初めからホールドになりそうな部分を触りまくったりするのかもしれません。
完登できるクライマーに登ってもらい、それを見てから自分が登るのかもしれません。
そんな風に、モラル・マナーのレベルはクライマーによって違うわけです。
他のクライマーのクライミングスタイルを尊重しよう
しかし、他のクライマーに自分のモラルのレベルを強要できるかと言えば、それはできないと思います。
岩を削ったりグルーイングして、ホールドを人工的に作ったりするのは論外ですが、原則的に
そのクライマーのクライミングスタイルはその人のもの
だからです。
意識のとても高い人には怒られるかもしれないし、
自分もそれなりにモラルは低くはないと思っているつもりですが、
私は、課題に対してどう向き合おうがそれは他人にとやかく言われることではなくて、重要な事は、他人に迷惑をかけない事ではないかと思っています。
何が良くて何が悪い行為かという事がクライマーによってバラバラなので、モラルの線引き自体ができないというのが正直なところなのです。
しかし、
同じ課題を登るクライマーがいた場合、その人のクライミングスタイルを邪魔しない、
と言う事は誰でもできる事だと思いますので、外岩初心者のクライマーは実践してみてはいかがでしょうか。
次回の記事では、ボルダリングのエリア内での行動についてのモラル・マナーについて書いてみたいと思います。
今回の話はクライマー各々の価値観の話ですが、
次回の話はクライマー以外の方も含まれますので、より重要な内容になります。